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ジャニーズは夢の世界ではなく現実。うまく取り入れてヲタ活と日常生活のいいとこどりをゆるゆるめざしてます。

「全部を理解して演じたり観たりするものでもない」空ばかり見ていた を観劇して

空ばかり見ていた。本日見納めてきました!

こんなになんと感想を語ったらいいのかわからず、言葉にするのが難しすぎて、ブログに綴ることが憂鬱になる作品ってあったかな…「とにかく見てください。感じてください。」の一言に尽きるというかんじ。

 

とはいえ、自分なりに感じたことを書き留めておきますが、まず驚いたのは話は難解で理解しきれてないんだけど理屈抜きになんとなく引き込まれる。胸を打たれる。考えさせられる。そして、どこか美しい。。そんな感覚が2004年に同じくシアターコクーンで見た「シブヤから遠く離れて」を見た後と似てるなと思ったらやはりあれも岩松さん作だったのですね!演出は蜷川さんで。あの作品も意味はよくわからなかったし、自分も子供だったから今以上に理解する力もなかったけど、ラストシーンがとにかく美しくて、気づけば号泣してたんだよね。あの不思議な感覚は今でも忘れられない。

 

 

さて、2回見てもとにかく話が難解で、セリフに隠された意味を考えてるうちに次のセリフが来てしまい最後まで伏線を回収しきれないことに困惑してなんとなく落ち込んだけど、パンフレットの剛くんの言葉にハッとさせられました。「ここに出てくる人たちがどうなっていくのか、そこにはどんな理由があるのかなんてことを、全部を理解して演じたり、観たりするものでもないと僕は思うんです」って。そうか、全てをきれいに理解する必要はないんだ。出てくる人たち同士の距離感をおもしろがって、人間としてのリアリティを楽しめればきっとそれでいいんだって。

 

本当に恋人のことを心から愛してるのかわからなくなる気持ち。

それでも、一度決めたら最後まで貫き通さなければと義務感で結婚を決意する人間としての強さと弱さ。

 

過去の記憶と今の自分の境界線が曖昧になっていく不思議さ。

 

今この瞬間を必死にカメラで切り取るけど、それがどんどん過去になっていく人生の切なさ。

 

表面上はコミュ力高いかんじを演じるけど、実はとてもとてもドライな自分がいることへの恐怖心。

 

わがままを言える人間のようでいて、本当は誰かに命令されたい自分。

 

考えたことだけが真実、と自分の考えをアウトプットしていく作業に駆り立てられる気持ち…

 

このへんは、なんとなーーーく、カケラ程度かもしれないけど、同じ人間として自分も理解できる気がしました。

 

で、あらためてパンフレット読んでて共演者のみなさんが森田剛を絶賛してるのを知って…

「稽古場でも静かなのにすごく存在感がある」「稽古を見ていても引き込まれる。椅子に座るっていう動き一つでもちゃんと感じてるように見えるし、でも心ここにあらずのようにも見えるし」

 

なんだか自分が森田剛に惹かれてずっと応援してきた理由ってなんなんだろう、って考えたときに(大変大変おこがましいのですが!!)

自分と真逆の人間だからなのかもとあらためて思って。

自分はわかりやすく笑顔で人に媚を売る八方美人で。自分の苦手な人からも好かれたいという歪んだ性格で。

でも剛くんは人との距離を遠く保った方が楽だと感じていて、どうでもいい人に媚を売るなんてことはしなくて。それでも彼が持つ不思議な魅力に惹かれて多くの人が集まってくる。努力と天才の両面を持った人…

正直今でも森田剛が本当はどんな人なのか、わからない。あまりにも彼は語らなすぎる。それでも、それが魅力で私たちは今後も応援し続けるのだろうな…

 

 

と、最後は森田剛の話になってしまいましたがとにかく心に残る時間であったことは間違いない、魅力的な舞台でした。