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ジャニーズは夢の世界ではなく現実。うまく取り入れてヲタ活と日常生活のいいとこどりをゆるゆるめざしてます。

ジャニーズ版女くどき飯 赤西くんでグルメな妄想

久しぶりに、ジャニーズ版女くどき飯シリーズ。こんなメンバーにこんなお店でくどかれたい!とアラサー女子が妄想する半分フィクションのグルメ日記です。

今回は番外編で、くどき飯ではなく「別れ飲み」。



■遊び人モテ男の先輩と神楽坂駅前で日曜深夜飲み

 M's Bar & Caffe@神楽坂

tabelog.com


神楽坂駅前すぐのカフェバー。平日・土曜は翌5:00まで営業、日曜も0:00まで

営業していて、バーと言いながら気軽に入れるカフェの雰囲気で

メニューも豊富。少しムーディな照明とともに落ち着いてカウンターで話せる

ところもよく、とにかく使い勝手がよいです。

 

「今から会える?」

日曜夜21:00。遊び人モテ男の赤西先輩から連絡が来る時間は、だいたい

決まっている。金曜や土曜夜のゴールデンタイムは本命の彼女や他の女たちに

割かれており(直接聞いたことはないが、きっと)都合よく遊べる後輩ポジションの

わたしが呼び出されるのは大抵彼が現実逃避をしたくなるこの時間帯だ。

もうお風呂入って化粧も落とし終わってるよ…と思いつつ、気づけば

高鳴る胸を抑えながらメイクをしなおし、15分で家を出ている。

 

彼に会うのは3ヶ月ぶり。もう都合のいい女は卒業しようと、自分なりに

見せた抵抗が生んだ、3ヶ月だった。今日で本当に終わりにしようという

戦いに挑む緊張感と、久しぶりにあの顔が見られる高揚感で

軽いような重いような、何とも言えない足取りでお店へ向かう。

 

「ひさしぶり」

店のドアを開けると、先に彼が座っている。数ある席の中でわざわざ

2人用のカウンター席を選んでいるあたりがさすがだなと思う。

どこで買ったのかと思うような大きな黒いハットに、白Tシャツにハーフパンツ。

ゆるいのにだらしなくない、ハッキリ言ってとても似合っているそのおしゃれさに

思わず嫉妬した。

 

「元気だった?髪切ったね。俺も実は切ったんだ」

久しぶりだと言うのに、余裕のある声とテンポ感でたわいもない会話を

してくる。わたしを褒めているかと思いきや、「髪切った俺もかっこいいだろ」と

言わんばかりに自分の自慢をしてくる。悔しいし認めたくないけど、

言うまでもなくそんな彼はかっこいい。

 

「ギネスで」

彼が頼んだのはギネスの黒ビール。黒ビールというのはとても男性を感じさせる

チョイスだなあといつも思う。

 

「パイナップルジュースで」

「笑」

まさかのわたしのチョイスに、思わず彼がふきだす。3ヶ月前のわたしだったら

同じようにビールを頼み、次の日仕事なんてこともすべて忘れて

勢いよく酔って彼に甘えていただろう。でも、今日は終わりの日だから

ノンアルコールと決めていた。

 

ギネスとパイナップルジュースという何ともミスマッチな組み合わせで、

会っていなかった3ヶ月を埋めるように、とにかく話をし続ける。

端々に「自分に自信があるんだろうな」と思わせる余裕さに腹を立てながらも

彼の笑顔を見ながら、彼と交わす会話はやっぱり満たされる幸せな時間だなあと

思う。もうすぐ終わりだと言うのに。

 

「…ごめん、やっぱりお前のことは選べない」

そのときは突然にやってきた。わたしから切り出す予定だった別れの言葉を

つらつらと彼が口に出す。

 

「でも本当に楽しかった」

「申し訳ない気持ち以上に感謝の気持ちでいっぱい」

「もっとシンプルに出会っていたら俺たち付き合ってたのにね」

 

ああ、絵に描いたようなだめな男の別れの言葉って、こうして現実に

存在するんだ。でも、彼はとてもかっこよく、絵になるから、もはや全部ひっくるめて

創られたものだったんじゃないかとも思えてくる。

こんなことだったらノンアルコールにする必要なんてどこにもなかった。

 

 

パイナップルジュースの酸味が帰ったあともずっと口の中に残っていた。

あの何とも言えない夜とともに、今でもすぐに思い出せる。