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ジャニーズは夢の世界ではなく現実。うまく取り入れてヲタ活と日常生活のいいとこどりをゆるゆるめざしてます。

ウィングレス-翼を持たぬ天使-

鴻上尚史さん。演劇界に精通してるわけではない私でさえ知ってる、演劇界の巨匠。

そんな鴻上さんが作・演出される舞台で福田悠太が主演を務める。

観る前から福田担をしてきたことが誇りで、嬉しくてたまらなかったですが……観劇してあらためて、思いました。好きなアイドルを応援することで上質な演劇に触れる機会があるのも、ジャニーズヲタクの特権だなあ、って。

本人たちも感じてるであろうアイドルコンプレックスやジャニーズコンプレックスについては、これまでも幾度となく書いてきました。

アイドル目当てに舞台観劇に行くことが本当にいいのか?純粋に作品としてのその舞台を楽しみ、評価できていないんじゃないか?と。

でも、今回渡辺いっけいさんや田畑智子さんたちと舞台に立つ福田悠太の姿を見て、舞台人としてそこに立つ彼を本当に誇りに思ったし、とってもいい表情をして「演劇最高!」と叫ぶ彼からたくさんの幸せをおすそわけしてもらいました。好きな人がいい作品に恵まれるのは当たり前じゃないし、本当にありがたいことだ。

天使から人間「榊原一郎」(いっくん)になるという、なんとも個性的な設定の役柄を演じた福ちゃん。モンスター、幽霊…とこれまでも個性的な役を演じてきたから「天使」と聞いてもあまり驚きませんでしたが(笑)福ちゃんにあてがきしてくれたのかな?ってくらい自然な福ちゃんのかんじで演じられてた気がします。いや福ちゃんが自分らしさをうまくリンクさせてたから、そう見えたのかもしれないけど。とにかくいい意味で「いかにも演技してますっっっ!!!」感がなく、スッと元天使役を受け入れることができました。

今回の作品は全般的にコメディで、笑えるシーンが多かったけど……中身を冷静に見ていくと戦争や自殺、飢餓など悲しいことがなくならない世界。カルトの問題。こども食堂のこと。資本主義のこと。マスコミのこと。恋愛対象と都合のいい存在が紙一重なこと。子育てのこと……普段見て見ぬふりをしてる重いテーマがたくさん詰め込まれていて。観劇し終えた今、笑って終わらせてはいけないんだろうな、とも強く思っています。

特に考えさせられたのは、食事に誘うシーン。いろんな登場人物が何か自分の都合のいいように相手を利用したいときに、「食事でもいかないか」という誘い文句を使う。世の中の「食事」にはいろんな闇もあるんだろうなーなんて。

「コメディであることが大切」福ちゃんがパンフレットでそう言ってましたが、ほんとにそう思います。コメディだからこそ、そこに詰め込まれたいろんなテーマが受け止められるし、少しだけ向き合うことができる。

この舞台の大きなテーマは「誰かを本当に救うってどういうこと?」だと思うのですが、自分なりの答えはまだぼんやりしてて。救ってるつもりで結局偽善だったり、自分のためだったりしてないかな?って反省もしますし。。

ちょっと重めな話が続きましたが、「泣けた!」とみなさんがおっしゃってた、子役の「まいちゃん」といっくんのシーンはほんとによかったですね……あたたかい気持ちになった……(名前がまいなので、連呼されることもひそかに嬉しくなりつつ笑)

ほろっと泣けて優しい気持ちになりつつも、見て見ぬふりをしてるいろんな問題と向き合うきっかけをくれて…これが「演劇」なのかなと。

熱くて優しくて愛に溢れる、最高に好きな舞台人の福田悠太が観れて幸せでした。パンフレットを読むといっけいさんも、他の共演者さんも引き出しが多くて毎回演技をアップデートし続ける福ちゃんのことを褒めてくださってて勝手に感激(泣)カーテンコールで鴻上さんに「福田悠太!」と紹介される姿にも大感激(泣)

今後の舞台人、福田悠太に期待しかありません!!!素敵な演劇体験をさせていただき、本当にありがとうございました!!!

 

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