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ジャニーズは夢の世界ではなく現実。うまく取り入れてヲタ活と日常生活のいいとこどりをゆるゆるめざしてます。

「演劇は止まらない」 を教えてくれた腹黒弁天町

観劇予定から1週間経ち、結果的に初日となった福田悠太・辰巳雄大主演の「腹黒弁天町」に行ってきました。

 


まずは予想外の感染により急遽舞台に立てなくなってしまった福ちゃん、それに伴い開幕に向けて心身、あらゆる角度から調整が必要になったキャストのみなさま、開幕に向けて尽力してくださったスタッフのみなさま…素晴らしい初日を届けてくださり本当にありがとうございました。そしておめでとうございました。

 


2020年の、同じくパルコプロデュースの「阿呆浪士」以来の鈴木聡さん脚本。阿呆浪士も、時代物のコメディってこんなにも楽しいのか!?と驚かされつつ最後はしっかり泣けて最高のエンタメ作品だったので、今回も期待大でした。


上演時間は、間に20分の休憩を挟んで計3時間。
久しぶりの長尺…!と意気込んでいたのですが、始まってみたらあっという間(中山優馬)でした。


辰巳が今回のカンパニーのことを「演劇のパワースポット」としきりに言っていた理由がよくわかりました。それぞれのキャラクターを演じるキャストお一人お一人が本当に魅力的で、オーラがあって、圧倒されましたね…


その中で奮闘する、主演の福辰。
2人にぴったりの役を与えてくださったのか、
2人が自分たちを役にぴったりはめにいったのか、
どちらかわからないけれど
とにかくぴったり、の一言でした。


決して演技してないわけではないんだけれど、
それぞれが本来持つ人間性がいい具合に
滲み出てるというか。


せっかくなので2人にフォーカスして感想をつづらせてください。。

 


【あらすじ】
明治時代後期。東京から田舎町「弁天町」に赴任することになった2人の教師、財前涼太(福田悠太)と山岡大介辰巳雄大)。
2人は弁天町で学校の校長や教頭、町の有力者、町の親分などと出会う中で
綺麗ごとでは済まされない、人々の腹黒さが渦巻く「現実」と向き合わされる。
自分の気持ちに素直になりつつ、やがて芸者の小雪に溺れていく財前と、現実を起用にこなして出世していく山岡。親友だった2人はやがてそれぞれの道を歩んでいき…

 

 


◻️まっすぐ女に溺れていく財前涼太と、福田悠太
かつて芸者に人生を狂わされた経験を持つことから、初めは
芸者との交流をかたくなに拒んでいた財前。
本当は好きで好きでたまらず、その気持ちを抑えられなくなり、やがて小雪に溺れていく…


この様子を見て、なんだか既視感があるなあと思っていたら、阿呆浪士…!「まじめに仇討ち一筋!」だったある日、遊郭・吉原で出会った花魁と恋に落ちる侍、田中貞四郎を演じていた福田さん… 


結局真面目でまっすぐで熱くて、自分に嘘が付けなくて…そういう「不器用な男っぽさ」が福田悠太そのものから滲み出てるのかなあ。
疑心暗鬼になりながらも小雪への思いを抑えきれない財前、とってもチャーミングでした。


福田担としての視点で語ると、ひたすら顔が「造形美!!!」というかんじで美しく(まあ、毎度のことなんですが)袴姿と白衣姿がもうたまらなくいいんです…最高なんです…
一見の価値ありです…
生物の先生という絶妙な設定に心から感謝(手を合わせつつ)

 

 


◻️フラットながらも最後に全てをもっていく、辰巳雄大


途中まで、これってどちらかというと財前の物語なのかな…?と思わされるのですが、
フラットな立ち位置に見せかけて最後の最後に全てをかっさらっていったのが山岡、でした。
1幕も2幕の途中までもずーーっと笑ってたのに最後の最後、辰巳さんが1人で語る長台詞のシーンで、気づけば涙が。


もう自分の情緒どうなってるの?と説明のつかない感情でしたが、出過ぎず引きすぎず、でもやっぱりちゃんと主役な辰巳さんは見事でした。福ちゃんとの安定感のあるコンビネーションが期待どおり…いや期待以上で、あのテンポ感は2人ならではだなあ、とあらためて。最強のダブルトラブルコンビ、ここに再び。

 

 

 


えらそうに語れるほど演劇を知ってるわけではないのだけれど、それでも良質な演劇を見させていただいて感謝の気持ちが溢れてきて。

 

2人のファンであることがきっかけでこんな体験させてもらえるなんて、本当にありがたい人生だなあと。。


いつも言っているとおり、お決まりの儀式のようなスタンディングオベーションは気が進まないのですが…今日は心からスタオベしてしまいましたし、キャストのみなさんにもそれが伝わったのでは…と。

スタオベの景色を見て涙ぐむキャストのみなさんを見て、思わずもらい泣きしました。。

 


退場アナウンスが流れても拍手が鳴り止まず、最後は福辰2人で挨拶。


辰「何があっても演劇は止めません!!!!」

 

力強く感動的な一言の後に勢いよくコマネチしあったり、おちゃらける2人。最後はけていくときの2人は達成感と喜びに満ち溢れたような最高の表情をしてました。エアグータッチする姿は、さすがにグッときすぎて…そこまで含めて演出だったのかと思ってしまうほど。


何があっても、演じる人たちと
それを観に行く人たちがいる限り演劇は止まらない。それを教えてくれた、腹黒弁天町でした。