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ジャニーズは夢の世界ではなく現実。うまく取り入れてヲタ活と日常生活のいいとこどりをゆるゆるめざしてます。

午前0時のラジオ局 東京公演

福田悠太と浜中文一が舞台で共演。しかも、W主演。

こんなの最高に決まってる……!と期待が高まりまくってましたが。その期待は初日が近づけば近づくほど、2人がプロモーションであちこちに出る様子を見れば見るほど、高まっていきました。

舞台俳優として定評がある。そんな共通点は大前提にあるとして、まあーーー自由で適当なノリと息を吐くようにふざけるかんじ。2人の空気が似すぎてて、相性ぴったりすぎて本編を見る前から福ちゃん文ちゃんコンビに夢中でした。

そんな2人が舞台人として本気で演技する姿見せられたらどうなっちゃうんだろう……とドキドキしつつ、行ってきました。

結論、たくさん笑って最後に少し泣きましたね……泣いたと言っても、不思議と気持ちは重くなくて。こんなに軽やかな涙を流した舞台は初めてなのでは……と。

全あらすじや、作品全体について思ったことなどはこちらに綴ってますのでもしよければぜひ……!この先ネタバレ含みますので、ご注意ください。

生死を大袈裟にとらえずポップに生きたい|mai|note

 

ここではキャストや登場人物、演出に対する細かい感想を書いていければと思います。

まず、福ちゃんが演じた幽霊ラジオディレクターの蓮池陽一。陽一さんの陰を根に持ちつつも圧倒的な「陽」で生きる姿が福田悠太と重なりすぎて……

自分は事故で亡くなって、奥さまは25年間もの間眠ったまま。会いにも行けない。そんな悲しい状況なのに、どこまでも軽やかで優しくて明るくてイケメン。くすんだピンクのセットアップもよく似合う。こんなの恋に落ちるしかないよ……忘れがちだけど福田悠太ってやっぱシンプルにかっこいいし、リアコみがある。ここ最近、マッチョな女性役とかモンスターとかを見てたので久しぶりに見るナチュラルな姿に惚れ惚れしました。これは普通に、福田担として(笑)

でももしかすると、それ以上にリアコだったのが文ちゃん演じる新米アナウンサーの鴨川優だったかも。普段のシュールおもしろ兄さん(シュールおもしろ兄さん??)な浜中文一とのギャップ!優しくてまじめで誠実で、ちょっと頼りない可愛さもあって。いやあーあんな先輩いないかな……いないよな……(笑)

他のキャストのみなさまもそれぞれ、魅力的で。陽一や優のキャラクターの良さが活かされてたのは確実に弟の洋二郎(深沢敦さん)の存在のおかげだし、陽一と同じく陰と陽のギャップが切なかった海野あおい(道上珠妃さん)も印象的だったし……あおいのお父さま(後藤英樹さん)とのやりとりもなんとも言えない親子の距離感を描いていて、グッとくるものがあって。

中でもアシスタントの山野佳澄(大河原恵さん)には泣かされました。最後いつのまにか陽一の奥さまが憑依する姿はあまりにも自然で驚いたし、サバサバさとあたたかさと切なさの全部を持ち合わせた姿に涙が止まらず。

これに限らず、その場にいない人をまるでいるように見せたり、誰かが誰かに憑依したり、時代を遡って当時の様子を再現したり。(戦時中の夫婦の様子を演じる福ちゃんと大河さんのシーンもまた泣けました。お2人の演技の切り替えがすごい……)

説明がなければ実はついていくのが難しい内容を、キャストや脚本、演出の技術で見事にカバーされていて。いかにもお涙頂戴!な大袈裟な演出も派手な舞台装置もなくシンプルな演出なのに、本当にすごいなと思いました。上演台本と演出を担当された、霧島ロックさんのお力なのだなあと……

私は村山仁志さんの原作を読んでから舞台を観劇したので、「なるほど、舞台ではこう見せるのか…!」という視点でしたが、結局2回入らせてもらったので初見は原作を読まずに、

「1回目観劇(原作読まず)→原作読む→2回目観劇」の福ちゃんおすすめサンドイッチ方式にすればよかったー!という点だけ少し後悔しつつ。

あと、現役アナウンサーの村山さんが小説家の夢をあきらめずアナウンサーと小説家を両立されて、キャリア形成されている姿にひそかに憧れてることも、この場でお伝えさせてください。

本当に出会えてよかった作品でした。大阪公演、長崎公演とまだまだ続くので、ぜひ一人でも多くの方に見ていただきたいです……!

死と隣り合わせの「生」を軽やかに受け止め、生きる希望をくれた作品に感謝です。ありがとうございました。

 

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